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アプローチの作り方

 住宅展示場と一般のお宅では、アプローチ、つまり敷地に入ってから玄関までの作り方には、違いがあります。


 たまに住宅展示場と同じようなアプローチを見かけますが、それをお客様自身が分かって選んでいるのか、知らずにそうなっているのかが不思議なところです。

 


 住宅展示場にとって大事なことは、お客様により多く入って頂くことです
 ですから、入りやすさというところに重きを置きます。

 

 隠れ家的な、入りにくいアプローチではなく、出来るだけ中の様子まで見れて
「心配ないですよ、危険はないですよ、入って大丈夫ですよ」
 そういうメッセージをアプローチでも投げかけます。

 つまり、敷地から玄関まで最短距離を、一直線に入って来ていただいて、開いている玄関から奥まで見えるようなアプローチを作ります。
 これは展示場の持つニーズに適しているからそうなるわけです。

 それに対し一般のお宅では、アプローチは歪曲させたりしながら、距離を稼ぐのが一般的です。
 アプローチが長いのは、その家の格も上げます。
 玄関は完全には隠しませんが、中の方まではあまり見せないようにします。

 完全に隠してしまうと、今度は防犯上の面で不利に働きますが、さすがに丸見えはあんまりです。
 植栽で目隠ししたり、塀やフェンスでワンクッション入れたりと、ドアを全開にした状態でも、中がダイレクトで見えない工夫をします。

 また、玄関を開けてもホールしか見えないような間取りにすることで、敷地の形状的に短くしか出来ないとか直線にしかアプローチを、補うことも有効です。

 

 高低差のあるなしでも、中が見えるか見えないかが変わってきたりもしますね。

 

 住宅会社によっては、まず家の予算ありきで、外構を軽視してしまうところもあります。そして提案にもあまり力を入れないところもあるようです。

 もちろんちゃんと考えられている提案もあります。

 しかしそうでない提案とそうでないものとを、お客様は見分けられないところに難しさがあったりするわけです。


 いずれにしても、展示場のニーズと一般のお宅のニーズは違うということです。

 そういう当たり前のこともちゃんと言ってもらえなければ、お客様は分からなかったりするものです。

 

 


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