家具搬入の件で、失敗談を一つ紹介します。
前職時代の話です。
私は自分でプランニングをするため、家具配置なども細かく検討、打合せしていました。
引越業者でアルバイトをしていた経験もあるので、人力でどこまでが可能か、どういう搬入をするかなども知っていました。
そんな私に連絡が入りました。
「冷蔵庫が入らなくて……」
検討したはずの冷蔵庫が入らないという連絡に、身が凍る思いがしました。
一体なぜ……。
そのお客様の家の間取りは、限られたスペースで要望を出来るだけ叶えるために、少々細かい壁ずらしなどをやっていましたが、お持ちの家具もちゃんと入るように検討したはず。
どうしてだろうと思いながらお客様の家に到着すると、引越しが終わったダイニングテーブルの横に鎮座する大きな冷蔵庫。
あるべきところにないと、これほど邪魔なものはありません。
その冷蔵庫を測ってみると、図面に載っているサイズより一回り大きかったのです。
「あれ、この冷蔵庫大きいぞ……」
実は引越し前にお客様が買いかえられていたんです。
そう言えば打合せ中に、冷蔵庫が壊れたということを聞いたような……。
そして購入されたのはかなり大きなサイズでした。
そういう検討の経緯や確認しないといけないことなどを私がちゃんと伝えられていれば防げたのかも知れません。
更に、壊れたという言葉にもう少し反応できていれば、購入するサイズなどにもアドバイス出来たのかも知れませんが、もうその冷蔵庫は目の前にあります。
とにかく、お客様の不便を出来るだけ早く解消しつつ、冷蔵庫をそのスペースに納めるという課題が出来ました。
ただ入れるだけでなく、将来的な買い替えもありますし、ヘタなリフォームをすると、他の使い勝手にも影響が出てきます。
どこをどうすれば万事うまくいくか。
結果的には、リフォームをせずに納めることが出来ました。
そのままではどうやっても入らなかったので、どこかをいじる必要があったのですが、一旦壁を壊すなどで入れると、買い替えの時にまたそれをする必要があり、生活に不便をかけることになるので、と色々と考え、冷蔵庫を家電売り場でじっくり観察した後に、メーカーのサービスセンターなどとやり取りをして、最終的には冷蔵庫の台座をいったん外した上で搬入し、設置場所で取り付けるという形になりました。
保証の有無の確認もでき、お客様へその後の対応もすべて説明させて頂き、無事に当初予定していた場所に収めることが出来ました。
この事件は、私の失敗談として心に刻まれています。
もう10年経ちますが、あの時肝を冷やした思いはまだ覚えています。
しかしこういうたくさんの失敗と、それを乗り越えた経験とが、私にとってのノウハウになっていると感じます。
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